外国人技能実習生が日本で失踪したり、万引きしたりする問題は、本国での借金や高い費用等のの為だと認識が日本国内で広まっているようです。これを信じていている日本政府は、技能実習生が来日する前に本国で送り出し機関に高い費用を徴収されることに手を出そうとしました。しかし、技能実習生の本国での問題を日本政府が手を出すのは賢い行動ではなでもなく、意味のある行動でもないです。時間と金(税金)を無駄にしているだけです。
まず、日本政府は何をしたかについて説明します。私が説明するよりも、先日出てた記事を読んでもらった方が分かりやすいです。
外国人実習生の「搾取」、厚労省が派遣機関に初の実態調査へ…1年で7000人超が失踪
記事の内容は少し長いですが、簡単に纏めますと、「技能実習生が来日する前に、送り出し機関に高い手数料を取られていて、その費用を払う為に借金しなければなりません。来日後、借金を返済する為に、仕事の状況が良くなければ失踪したりして問題を起こす」と日本政府は信じていて、この高い手数料と借金の問題を解決しようとして、実態調査を行ったという内容です。
この日本政府の動きが間違っていると私は考えています。
①「失踪した原因は借金返済のため」だという嘘:
実習生の問題等に係る記事の中には必ず「高い手数料」「本国のでの借金」が強調されています。失踪者の大体の主張内容としては、「来日する前に高い手数料を払うために借金しました。この借金を返済するためにたくさんの金が必要なので、失踪して金を稼ごうとしました」です。普通の人から見れば「本当だね。可哀そうだ」すぐに「手数料を無くせ」と言いたくなります。この心理的な反応も理解できます。しかし、事実を踏まえて冷静に感が手見たらそうではないことに気づきます。というのも、実は、(ベトナム人の)技能実習生は手数料なしで日本に来ることができた時期もありました。しかし、当時の失踪率は高かったです。10人来て9人が逃げた会社もありました。これは明らかに「高い手数料」のせいではないです。当時の失踪者に聞いた結果、「何の縛りもない為に、失踪して色々な仕事をしてみたい」ということでした。つまり、「縛りがない」ことは失踪者を増やしたことになります。
その後、失踪者を減らす為に、来日する前に技能実習生が送り出し機関に保証金を預けて、実習期間が終わって、ちゃんと帰国すれば、全額返金されるという対策を導入されました。その後は失踪者が減りました。つまり、保証金という縛りのお陰で失踪者がへったことになっています。
その後は、保証金の金額がどんどん上がって、失踪した技能実習生は、警察や入管には保証金の為に借りた金を返済するために失踪したと説明しはじめました。この説明が繰り返されて「借金が問題の原因」になってしまいました。まさに、嘘でも繰り返し聞かされていれば、本当なと信じてしまいますね。
当然、保証金の為に、借金している人もいますが、法律を守って帰国すれば、(利子も含む)保証金は全額返金されるので、借金は事実上「貯金」になります。又、善意のある送り出し機関は、技能実習生に金を貸してくれる銀行を紹介し、技能実習生は金を出す必要がありません。銀行が保証人になって、もしその技能実習生が失踪した場合は、銀行が送り出し機関に保証金を払ってから(銀行は)技能実習生に対して保証金を請求する形になっています。このようなやり方ですと、技能実習生が失踪しなければ何の問題もないです。借金を返済する心配もありません。それでも失踪した技能実習生は居ました。
つまり、「借金」「高い手数料」は犯人ではありません。犯人は違うところにいます。
②日本政府は本国で起こった技能実習生の問題を解決できる訳がない:
上記の通り、借金と手数料が犯人ではないの判明しましたが、もし借金と手数料が技能実習生失踪問題の原因になっているとしても、日本政府はこれらの問題を解決できるわけではありません。といいますと、これは日本国外の問題だからです。外国の習慣、文化は日本のと違って、日本の考え方で押し付けするのは無理なやり方です。
仮に、日本政府が「手数料禁止」というルールを出したとします。この場合、本国では、手数料を違う名目(名前)に変更してしまえば、済みます。又、その手数料を手数料として本人から直接徴収しないで、家族から「支援金」として受け取っても出来ます。つまり、逃げ道はいくらでもあります。
③犯人はどこにいるの?
技能実習生の諸問題の原因は、外国にあるものではなく、日本国内にあります。それは、国内の労働環境と賃金体系等です。それに、不合理の管理体制も技能実習生と受け入れ企業さんに大きな影響を与えています。それに、期間が定めているのもネックになっています。研修期間後も続けて働きたい技能実習生は失踪するしか他道がない状況になっています。これらの根本的な問題を解決しなければ、幾ら実態調査を行っても意味がありません。
※上記の記事内容について、もう少し書きたいのですが、次回にしておきます。